今年も早いもので、もうすぐ9月を迎えようとしている。アメリカの9月と言えば学校の始まる時期なので、新生活のスタートという清々しい印象が強い。これは企業にとっても同様で、9月はビジネス界にとっても大きな節目の時期だ。例えば住宅マーケット、学校が始まる9月までに引っ越しを済ませたいという理由で夏休み中は需要が高まり、新学期が始まると落ち着く傾向にあると言われる。小売業については、9月はクリスマス商戦の幕開け。「新学期セール」なるものを打ち出して新生活に備える顧客を魅了しようとする一方で、サンクスギビングやクリスマスなどのホリデー商戦を目前に控え、新商品を打ち出したり、そのマーケティングに力を入れ出す時期である。多くのアメリカの小売業にとって、ホリデーシーズンの売り上げはその一年の業績を決めるほど大きな影響力を持つ。社運がかかっている、と言っても過言ではないのだ。ここシリコンバレーも例外ではなく、毎年この時期に「バズ」を繰り出す常連企業がいくつかある。その筆頭に名を挙げるのはアップルだ。
アップルは毎年9月に新しい目玉商品を発表してきたという歴史もあり、8月後半にさしかかった今、今年のアップルはどんな商品で世間を驚かせるのかというのがブロガーやコミュニティの間で話題になっている。ここ近年のアップル主流商品と言えばiPodとiphone だけに、それらの進化版が出てくるのではという憶測が強い。
では、まずは最近のアップルの業績状況、特にiPhoneとiPodに焦点を絞って見てみたい。
<グラフ1>は iPhoneの売上数と売上高を示したものだ。2007年の発売以来、前年同期比は300〜8000%にまでに及び(グラフのスケールに違いすぎるため、グラフからは割愛)、順調な伸びを示している。売上数の変動は3G, 3GSなど新バージョンの発売時期に合わせて明確に上下しているが、それでも売上高は着実に伸びているようだ。
<グラフ2>では、同様にiPod(iPod basic, iPod mini, iPod nano, shuffle, iPod touch) の売上数と売上高、またそれに加えて売上数と売上高の前年同期比も一緒にプロットしてみた。
このグラフからもわかるように、先四半期の2009年第3四半期(2009年4月〜6月)には売上数1,020万個という7%の減少を示し、2001年の発売以来初めて、前年同期比マイナスを記録した。(ちなみにアップルの会計年度はカレンダーイヤーよりも3ヶ月遅れているので、第3四半期は7〜9月ではなく、4〜6月となる)
では、実際この2つのプロダクトラインを比較した際、アップルのプロダクトの中で「スター」の座を獲得したのはどっちなのか?ここ近年の話題性から判断すると断然iPhoneだという気がするが、実際の「実力」、つまり売上高に対する貢献度はどのようになっているのか。<グラフ3>では、アップル全体の売上高に対してiPhoneとiPodそれぞれの貢献度をプロットしてみた。すると意外なことに、実力に基づく「スター」の座についていたのは、先四半期までiPod。そしてそれが入れ替わったのは、たった数ヶ月前のことだった。
ここでさらに、7月の業績報告で明らかにされた面白いデータを紹介したい。この鈍化傾向にあるiPodカテゴリの中で、実は倍以上に売り上げを伸ばした商品が一つだけあると言う。それはiPod touch だった。逆に言うと、iPod touchの好調な売り上げによってiPod全体へのダメージは最小限に押さえられた、とも言えるだろう。(詳細な内訳データは残念ながら非公開)
では、iPod touchとは何者なのか?2007年9月に発表され(これも9月!)、簡単に言えば、電話機能のないiPhoneだ。iPhoneと同じバージョン Mac OS Xが搭載されているので、標準のiPodの機能に加えて、ユーチューブのビデオを見たり、メールしたり、ウェブサーフィンしたりというのも問題なくできる。アップルは公式な内訳数を公開していないが、 今までの売り上げは2,000万個と見られている。
ここで前後するが、アップル恒例の9月の新商品お披露目の予測に話を戻したい。実は多くの業界人やブロガーは、 今年はiPod touch関連、もしくはその進化版では?という予測をたてているのだ。どのように変身するかというアイディアは様々だが、堅実なところでは、メモリーが 2倍になり、カメラ機能が搭載されることにより、写真をブログにアップロードしたり、ビデオを撮ってYoutubeにアップロードできるようになるだろう、などなど。
ある記事によるとマイク機能もつくとか。となると、電話機能はないものの、スカイプなどを使ってインターネット電話が可能になる。つまりいわゆるキャリアを通した電話はかけられないものの、広い定義での「電話機能」は備えることになり、「電話機能のないiPhone」というジレンマ(?)から脱することができるかもしれない。
またさらには、Amazon Kindleに対抗したような電子本機能も備えるのでは、という噂も。すでに McGraw Hill や Pearson を含んだ12の大手教科書出版社がiPhoneと iPod touchへのコンテンツ提供の話をアップルと進めてるという話も出ている。となると、電話や音楽プレーヤーの域を超えて、現在はアマゾンが独占している電子本業界 (Amazon Kindle DX )、さらには出版業界の域まで踏み込んでくることになる。しかもここまで機能を備えてくると、ネットブック業界もうかうかしていられないだろう。
‘phone’じゃないからiPhoneの仲間に入れてもらえないiPod touch, でも機能性的にはiPodという枠には収まらない多様性を兼ね備えている。何だか、どこにもフィットできないはみ出しもの、みたいな可哀想な気すらしてくるが、この9月でさらに進化を遂げて、ついにiPhoneの仲間入りができるのか、はたまたiPhoneにもないような機能までを身につけてスターの座を奪回するのか。。。楽しみなところだ。
そして最後にちょっと余談。以前のTwitterの記事の中でも書いたけど、この業界について面白いなと思うのは、「業界」とか「カテゴリ」という垣根がないこと。ソーシャルネットワークというカテゴリで誕生したTwitterが、検索を脅かす(というか魅了する?)存在にまで成長している。iPodももともとは携帯型音楽プレーヤーだったのが、iPod touch という形に進化して、今では電子本、ネットブックやゲーム機までを脅かす存在にまでなっている。
今から10年前、どれだけの出版業者がアップルを潜在的な脅威と見ただろう?もしかしたらこの先10年後には、アップルは思いもよらない業界に進出しているかもしれない。例えば住宅業界、なんてことも?何の根拠もないけど、そんな無責任な想像してみるのも面白い。
とりあえず今は10年後よりも来月、ということで、アップルが9月にどう世間を驚かしてくれるのかを楽しみにしたい。
2009年8月31日月曜日
2009年8月4日火曜日
驚異の顧客主義「Zappos.com」 ネットで靴を売るためにはここまでやる!
先月末、Amazon.comがオンライン靴販売サイトZappos(ザッポス)の買収を発表した。買収額は8億ドルとも900億ドルとも言われている。Amazon自体、2007年に独自の靴販売サイトendless.com を立ち上げていたが、このサイトはいまいち伸び悩みを見せていたため(赤字続きだとの噂もあり)、急速に伸びている競合のZapposの買収に踏み切ったと思われる。
Zapposは1999年に創立、靴を中心に衣料、バッグ、アクセサリーなどをオンラインで販売していて、ラスベガスに本社を持つ。 ここ最近では不景気にも関わらず、2008年には20%近い伸びを示した結果、予測よりも2年早く売り上げが$1 billion(10億ドル)に達したことで話題になった。
以下のグラフは、Zapposのセールスの伸びと、オンライン小売業全体のセールス(靴に限らず、小売業すべて含む)に占めるZapposのセールスの割合の伸びを示している。
ここからもわかるように、2つの指標とも、不景気にも関わらず急激な伸びを見せている。もちろんZapposも不景気の影響をまったく受けていないわけではなく、今年はじめには小規模なリストラなどコスト削減を余儀なくされたが、それはどの会社でも起こっていること。それ以上に特に目立った打撃は受けていないようだ。
アパレルや靴関連のオンライン販売なんて競争が激しく、また差別化がとても難しそうだが、そんな中で知名度を一気に広め、急成長を遂げたのにはいくつかの理由がある。
まずは徹底したカスタマサポート。24時間年中無休のコールセンターと無料の送料・返送料(365日以内の返品はOK)を基本的なポリシーとして掲げている。それに加えて全国4営業日での配送を確約しているが、多くの場合は翌日には配送されると言う。つまり確約を満たせば良し、とするのではなく、ユーザの期待を常に超えることを目的としている。
また、電話での対応も徹底している。最近ではコストや余計なトラブルを最小限に押さえるため、電話番号をウェブサイト上の目に着きやすい場所には載せず、メールやオンラインで質問や苦情を申告するようにユーザを導こうとする小売業サイトが増えている。サイトによっては、ホームページから10回くらいクリックした挙げ句にようやく隅に小さく書かれたカスタマサポートの番号を見つける、という例も少なくない。
その一方でZapposのサイトに行くと、フリーダイヤルの番号は全ページの一番上に記載されている。彼らのコールセンターでは、台本なし、時間制限なし、冷たい自動音声的な対応なし、というように、物騒な対応をされる伝統的なカスタマーサポートとはまったく異なる経験を提供している。
ただそれだけだったら、他の競合が真似できないこともなさそうだが、彼らのカスタマーサポートを特別なものにしているのは、そう言った文面に書かれたポリシーだけではなく、徹底したお客様主義が浸透しているその企業文化だ。
その象徴的な例は、それだけ重用視しているカスタマサポートの採用方法だ。
Zapposは新たにカスタマサポート要員を採用する際、4週間のトレーニングを義務づけ、ここでみっちりと会社の戦略、文化、顧客第一主義を叩き込む。トレーニング終了後に「オファー」が出されるのだが、その内容が普通じゃない。「今日会社を辞めれば、トレーニングを含めた今までの業務時間の給料に加えて、1000ドルのボーナスを払う」というのだ。会社としてトレーニングを受けさせるという投資をした上に、社員にボーナスを払って辞めさせるってどういうことなのか?
実はこのオファー、新社員に対する最終試験でもあり、1000ドルの現金に目がくらんで辞めるような社員であれば、この仕事に対する長期的な熱意や覚悟が足らず、そんな人員は不要だと言うことらしい。もし会社と新入社員の相性が悪いようであれば、無理して残ってもらうよりもお金を出してでも辞めてもらった方がお互いのために良い結果になる。それだけ強烈なカルチャーだということ、また、それだけカルチャーを重視しているということの裏付けとも言えるだろう。トレーニングを受けたコールセンターの新入社員の10%程度はこの時点で現金を選んで、会社を辞めていくという。
このオファー(退職金?)、そもそもは100ドルから始まったのだが、その後500ドルになり、1000ドルにまでなった。
ではこの会社の差別化のポイントは、お客様主義を徹底したカスタマサポート重視の文化だけなのか?
もう一つ面白い特徴を発見。それはソーシャルネットワークの積極的な活用だ。
Forresterリサーチによると、今日では、ネット利用者がソーシャルネットワークに費やす時間がemailに費やす時間を超えているらしい。また、トップ500のオンライン小売業サービス提供者のうち56.8%が フェースブック、28.6%がmyspaceにページを持ち、41.4%がユーチューブにチャンネルを持ち、20.4%がTwitterにアカウントを持っている。その統計データを見ると、Zapposがソーシャルネットワークを活用しているのも当然のように見える。ただその活用のレベルが半端ではなく、これまた「徹底」しているのだ。
と言うのも、ZapposのCEO Tony Hsieh自身が熱烈なソーシャルネットワーク、特にTwitterファン。会社についてのビデオブログを一日に最低一度は更新、社員の間でTwitterを使って状況を更新し合うサイトまで立ち上げている(もちろん他のTwitterのアカウントと同様、一般に公開)。
これは、以前にこのブログで紹介したような「新商品情報を発信」と言ったような典型的な企業の活用方法とはちょっと異なる。直接的なマーケティングツールとして利用しているわけではなく、どちらかと言うと社員が友達同士と話すノリで「今何してる?」という問いについて情報交換していて、それを外部にも公開しているのだ。外部に対する情報発信よりも、社内のコミュニケーションツールとして利用、社員間の結束を高める狙いが大きいと思われる。で、その結果、その様子が外部にも公開されて、「仲が良さそうで楽しそうな会社だな」とポジティブなイメージをアピールできればラッキー。
実際、メディアを通した大規模なマーケティングなんてする余裕がない小さいスタートアップのイメージって、そういったことの積み重ねで確立されていくことが多い。(最近Zapposのテレビコマーシャルを見かけたので、最近ではそういう余裕も出てきたのかもしれないけど、それもここ最近だけの話で、今までの積み重ねはすべて口コミと思われる)
でもその効果ってどうやって量れるのか?企業文化が企業の業績に対して持つ影響力って直接的に量ることは難しいが、間接的にそれを証明するようなデータを紹介したい。
まずわかりやすいのは、 雑誌Fortune による “100 best companies to work for” 入りを果たしたということ。これは給与やボーナスなど金銭なベネフィット、文化、給与以外の福利厚生、研修の充実、キャリア展開へのサポート、社員へのアンケートなどいくつかの観点から働くのにベストな企業をランキングしている。社員がハッピーな会社はさらに有能な社員を引きつけ、好循環が続く。
もう一つのデータポイントは、新規ユーザがどのようにZapposを知ったかと言うこと。
44 % のZappos新規ユーザーはオンライン上での広告によりサービスを知り、 43%はいわゆる口コミで知ったという。口コミ効果がここまで高いというのは、友達から聞いたり、誰かのブログで話題になったり、会社の特徴がビジネス関連の記事で取り上げられたりということの積み重ね、つまり徹底したカスタマサポートや強い企業文化が多く話題になって注目を浴びたことの結果だろう。多少間接的だが、ある意味企業文化が業績に好影響を与えたことの裏付けだとも言える。
また、ここまで口コミ効果が高いのなら、メディア広告に高額を投資するより、サービス自体の向上に投資した方が賢い。「ユーザーが快適にサービスを利用できるようにサービスの質向上に努力していれば、ユーザは自然に良い評判を流してくれる」、というのが彼らの信念で、上のデータはそれを見事に証明している。
そして最後に興味深いのは、以上に紹介した点がすべてうまくつながっていること。
顧客重視の文化を作りあげてそれを新入社員だけでなくて外部にも公開。それによって口コミ効果は一層高まり(もちろんカスタマサポートの質の高さも大きな要素)、顧客数とともに組織も拡大。文化がカギなわけだから、新入社員の採用が慎重に行う。選ばれた社員たちは、トレーニングとソーシャルネットワークを通して文化をさらに強化していく。
オンラインでの靴マーケットはまだ成長の余地があると予測されている。アマゾンに買収されたことで、今後の海外進出もやりやすくなるだろう。この強烈な文化をいかに世界中に浸透させていくか、というのが課題の一つだ。
Zapposは1999年に創立、靴を中心に衣料、バッグ、アクセサリーなどをオンラインで販売していて、ラスベガスに本社を持つ。 ここ最近では不景気にも関わらず、2008年には20%近い伸びを示した結果、予測よりも2年早く売り上げが$1 billion(10億ドル)に達したことで話題になった。
以下のグラフは、Zapposのセールスの伸びと、オンライン小売業全体のセールス(靴に限らず、小売業すべて含む)に占めるZapposのセールスの割合の伸びを示している。
ここからもわかるように、2つの指標とも、不景気にも関わらず急激な伸びを見せている。もちろんZapposも不景気の影響をまったく受けていないわけではなく、今年はじめには小規模なリストラなどコスト削減を余儀なくされたが、それはどの会社でも起こっていること。それ以上に特に目立った打撃は受けていないようだ。
アパレルや靴関連のオンライン販売なんて競争が激しく、また差別化がとても難しそうだが、そんな中で知名度を一気に広め、急成長を遂げたのにはいくつかの理由がある。
まずは徹底したカスタマサポート。24時間年中無休のコールセンターと無料の送料・返送料(365日以内の返品はOK)を基本的なポリシーとして掲げている。それに加えて全国4営業日での配送を確約しているが、多くの場合は翌日には配送されると言う。つまり確約を満たせば良し、とするのではなく、ユーザの期待を常に超えることを目的としている。
また、電話での対応も徹底している。最近ではコストや余計なトラブルを最小限に押さえるため、電話番号をウェブサイト上の目に着きやすい場所には載せず、メールやオンラインで質問や苦情を申告するようにユーザを導こうとする小売業サイトが増えている。サイトによっては、ホームページから10回くらいクリックした挙げ句にようやく隅に小さく書かれたカスタマサポートの番号を見つける、という例も少なくない。
その一方でZapposのサイトに行くと、フリーダイヤルの番号は全ページの一番上に記載されている。彼らのコールセンターでは、台本なし、時間制限なし、冷たい自動音声的な対応なし、というように、物騒な対応をされる伝統的なカスタマーサポートとはまったく異なる経験を提供している。
ただそれだけだったら、他の競合が真似できないこともなさそうだが、彼らのカスタマーサポートを特別なものにしているのは、そう言った文面に書かれたポリシーだけではなく、徹底したお客様主義が浸透しているその企業文化だ。
その象徴的な例は、それだけ重用視しているカスタマサポートの採用方法だ。
Zapposは新たにカスタマサポート要員を採用する際、4週間のトレーニングを義務づけ、ここでみっちりと会社の戦略、文化、顧客第一主義を叩き込む。トレーニング終了後に「オファー」が出されるのだが、その内容が普通じゃない。「今日会社を辞めれば、トレーニングを含めた今までの業務時間の給料に加えて、1000ドルのボーナスを払う」というのだ。会社としてトレーニングを受けさせるという投資をした上に、社員にボーナスを払って辞めさせるってどういうことなのか?
実はこのオファー、新社員に対する最終試験でもあり、1000ドルの現金に目がくらんで辞めるような社員であれば、この仕事に対する長期的な熱意や覚悟が足らず、そんな人員は不要だと言うことらしい。もし会社と新入社員の相性が悪いようであれば、無理して残ってもらうよりもお金を出してでも辞めてもらった方がお互いのために良い結果になる。それだけ強烈なカルチャーだということ、また、それだけカルチャーを重視しているということの裏付けとも言えるだろう。トレーニングを受けたコールセンターの新入社員の10%程度はこの時点で現金を選んで、会社を辞めていくという。
このオファー(退職金?)、そもそもは100ドルから始まったのだが、その後500ドルになり、1000ドルにまでなった。
ではこの会社の差別化のポイントは、お客様主義を徹底したカスタマサポート重視の文化だけなのか?
もう一つ面白い特徴を発見。それはソーシャルネットワークの積極的な活用だ。
Forresterリサーチによると、今日では、ネット利用者がソーシャルネットワークに費やす時間がemailに費やす時間を超えているらしい。また、トップ500のオンライン小売業サービス提供者のうち56.8%が フェースブック、28.6%がmyspaceにページを持ち、41.4%がユーチューブにチャンネルを持ち、20.4%がTwitterにアカウントを持っている。その統計データを見ると、Zapposがソーシャルネットワークを活用しているのも当然のように見える。ただその活用のレベルが半端ではなく、これまた「徹底」しているのだ。
と言うのも、ZapposのCEO Tony Hsieh自身が熱烈なソーシャルネットワーク、特にTwitterファン。会社についてのビデオブログを一日に最低一度は更新、社員の間でTwitterを使って状況を更新し合うサイトまで立ち上げている(もちろん他のTwitterのアカウントと同様、一般に公開)。
これは、以前にこのブログで紹介したような「新商品情報を発信」と言ったような典型的な企業の活用方法とはちょっと異なる。直接的なマーケティングツールとして利用しているわけではなく、どちらかと言うと社員が友達同士と話すノリで「今何してる?」という問いについて情報交換していて、それを外部にも公開しているのだ。外部に対する情報発信よりも、社内のコミュニケーションツールとして利用、社員間の結束を高める狙いが大きいと思われる。で、その結果、その様子が外部にも公開されて、「仲が良さそうで楽しそうな会社だな」とポジティブなイメージをアピールできればラッキー。
実際、メディアを通した大規模なマーケティングなんてする余裕がない小さいスタートアップのイメージって、そういったことの積み重ねで確立されていくことが多い。(最近Zapposのテレビコマーシャルを見かけたので、最近ではそういう余裕も出てきたのかもしれないけど、それもここ最近だけの話で、今までの積み重ねはすべて口コミと思われる)
でもその効果ってどうやって量れるのか?企業文化が企業の業績に対して持つ影響力って直接的に量ることは難しいが、間接的にそれを証明するようなデータを紹介したい。
まずわかりやすいのは、 雑誌Fortune による “100 best companies to work for” 入りを果たしたということ。これは給与やボーナスなど金銭なベネフィット、文化、給与以外の福利厚生、研修の充実、キャリア展開へのサポート、社員へのアンケートなどいくつかの観点から働くのにベストな企業をランキングしている。社員がハッピーな会社はさらに有能な社員を引きつけ、好循環が続く。
もう一つのデータポイントは、新規ユーザがどのようにZapposを知ったかと言うこと。
44 % のZappos新規ユーザーはオンライン上での広告によりサービスを知り、 43%はいわゆる口コミで知ったという。口コミ効果がここまで高いというのは、友達から聞いたり、誰かのブログで話題になったり、会社の特徴がビジネス関連の記事で取り上げられたりということの積み重ね、つまり徹底したカスタマサポートや強い企業文化が多く話題になって注目を浴びたことの結果だろう。多少間接的だが、ある意味企業文化が業績に好影響を与えたことの裏付けだとも言える。
また、ここまで口コミ効果が高いのなら、メディア広告に高額を投資するより、サービス自体の向上に投資した方が賢い。「ユーザーが快適にサービスを利用できるようにサービスの質向上に努力していれば、ユーザは自然に良い評判を流してくれる」、というのが彼らの信念で、上のデータはそれを見事に証明している。
そして最後に興味深いのは、以上に紹介した点がすべてうまくつながっていること。
顧客重視の文化を作りあげてそれを新入社員だけでなくて外部にも公開。それによって口コミ効果は一層高まり(もちろんカスタマサポートの質の高さも大きな要素)、顧客数とともに組織も拡大。文化がカギなわけだから、新入社員の採用が慎重に行う。選ばれた社員たちは、トレーニングとソーシャルネットワークを通して文化をさらに強化していく。
オンラインでの靴マーケットはまだ成長の余地があると予測されている。アマゾンに買収されたことで、今後の海外進出もやりやすくなるだろう。この強烈な文化をいかに世界中に浸透させていくか、というのが課題の一つだ。
2009年7月10日金曜日
イラクとTwitter
一時期は話題に上らない日がなかったイラクだが、選挙戦が落ち着いてからは、ニュースのヘッドラインを飾るのは相次ぐ企業の経営破綻や不景気に集中していて、イラク関連のニュースはめっきり減っている。
と思ったら、最近テクノロジー欄でイラクの話題をちらほら見かけるようになった。フェースブックは今年の3月からアラビア語に対応した結果、5月から6月の1ヶ月でユーザ数が400か45,000に激増。またその成長を後押しするかのように、4月に米国務省がGoogle, Twitter, Youtube, AT&T などのエグゼクティブとシリコンバレーのスタートアップ一団をイラクに派遣した。イラク政府の幹部や会社経営陣に対して新しいウェブ技術の導入を紹介、国のトップと国民がコミュニケーションを図る有効な手段としての活用を促すという目的だ。また、テクノロジーを駆使することによって、国の安定化と政治の透明性を高めるという大きなゴールも視野に入れている。
そのツアーの結果、グーグルはYoutubeを使って政治的な報道とか政府からのメッセージを流すことを計画。つまりYouTubeが国営テレビ局のような役割を果たすことになる。またその直後にイラクのサリフ副首相もTwitterを開始、今では1500人程度が’フォロー’している。いかに普及させるかという教育問題はもちろんのこと、インフラが整っていないだけに携帯からの利便性を高めるなどチャレンジは山積みだが、テクノロジーがそうやって世界を変えていくのを見るとわくわくする。
また思いがけないところでテクノロジーの話題と言えば、先週ウィンブルドンを見てたところ、ここでも話題は何故かTwitterに。Serena Williamsが試合前のロッカールームで「飲食禁止」という張り紙を発見、主催者によってロッカールームに用意されているバナナやスナックを食べちゃいけないってこと?とTweetを発信している。試合直前にそんなことする余裕があると言えばさすがだが(そしてもちろんその試合は余裕勝ち)、他にストレッチとか何かやることあるんじゃないかなぁと思ったりする。でもそれだけ病み付きになるということだろう。
と思ったら、最近テクノロジー欄でイラクの話題をちらほら見かけるようになった。フェースブックは今年の3月からアラビア語に対応した結果、5月から6月の1ヶ月でユーザ数が400か45,000に激増。またその成長を後押しするかのように、4月に米国務省がGoogle, Twitter, Youtube, AT&T などのエグゼクティブとシリコンバレーのスタートアップ一団をイラクに派遣した。イラク政府の幹部や会社経営陣に対して新しいウェブ技術の導入を紹介、国のトップと国民がコミュニケーションを図る有効な手段としての活用を促すという目的だ。また、テクノロジーを駆使することによって、国の安定化と政治の透明性を高めるという大きなゴールも視野に入れている。
そのツアーの結果、グーグルはYoutubeを使って政治的な報道とか政府からのメッセージを流すことを計画。つまりYouTubeが国営テレビ局のような役割を果たすことになる。またその直後にイラクのサリフ副首相もTwitterを開始、今では1500人程度が’フォロー’している。いかに普及させるかという教育問題はもちろんのこと、インフラが整っていないだけに携帯からの利便性を高めるなどチャレンジは山積みだが、テクノロジーがそうやって世界を変えていくのを見るとわくわくする。
また思いがけないところでテクノロジーの話題と言えば、先週ウィンブルドンを見てたところ、ここでも話題は何故かTwitterに。Serena Williamsが試合前のロッカールームで「飲食禁止」という張り紙を発見、主催者によってロッカールームに用意されているバナナやスナックを食べちゃいけないってこと?とTweetを発信している。試合直前にそんなことする余裕があると言えばさすがだが(そしてもちろんその試合は余裕勝ち)、他にストレッチとか何かやることあるんじゃないかなぁと思ったりする。でもそれだけ病み付きになるということだろう。
2009年6月15日月曜日
加速するPrius人気
トヨタが2010年発売予定のルーフ一体型ソーラーパネル付きプリウスがアメリカでも話題になっている。トヨタは相当数のテレビコマーシャルを打っていて、その中でもソーラーパネルを強調、さらなる「グリーン」性を全面に打ち出している。数週間前には、日本と中国での生産に続いてベイエリアにあるGMとトヨタの合弁工場NUMIでのプリウス生産を検討中との噂が出回った。ただ今月初めに起こったGM倒産という困難な財政状況もあり、いまのところ公式には否定されている。カリフォルニアは環境規制が厳しいこと、また一般に環境問題への関心が高いため、アメリカの中で需要が高いエリアの一つとなっていて、トヨタが打ち出している「需要の高いところのみで生産する」という方針には沿っているのだが。
しかしこのソーラーパネル、意外なことにバッテリーへの充電はできず、駐車中の車内の換気に留まるというのにはがっかり。リモートで空調をオンにすることができるなどのおまけつきだが、それでも、日向に駐車した車に戻った際にエアコンをがんがんつけて車内を冷やす電力が節約できるというだけらしい。バッテリーにつなげて充電して、そのパワーだけで車を動かせるようになるようになるにはまだ何年も先、とのこと。
それでもすでにウェイトリストができているこの新型プリウス、その関心と需要に目をつけて、標準プリウスに取り付けられるソーラーパネルを生産しているSolar Electric Vehiclesという会社がある。これによって、一日あたり15マイル走行できるだけのパワーが得られるらしい。この外付けシステムは3500ドル、一つ生産するのに1週間程度かかる。注文が殺到していて、この数週間は注文を裁くだけでいっぱいいっぱいだという。自分で取り付けることもできるという手軽なものだ。
いずれにしても明るい第一歩だが、それでも課題は多い。まずバッテリーにつなげて車を動かすためには巨大な表面積が必要で、車一台のルーフの表面積ではまったく足りないのだ。車のルーフに取り付けるのではなく、例えば駐車場の屋根全体にソーラーパネルを取り付けるなどした方が現実的だという声もあがっている。
もう一つの課題は、ソーラーパネルのコストが高いことだ。ただ、高まる需要に伴いコストはだんだん下がり、生産性はあがっていて、ある調査によると、2010年までにはパネルの材料となるCrystalline siliconシリコンの生産量も、生産性も大きく進化するとされている。今日1ワットあたり1.9ドルかかるコストが、5年以内には1ドルに下がると見込まれている。特にエネルギー費用が高いとされているニューヨーク、San Diego, San Francisco, Las Vegas, Phoenixでは、2015年までには今Natural Gasで作られているエネルギーだが、そのコストを超すとされている。
つまり日射時間の長く、既存のエネルギーコストが高いカリフォルニアでは、ますますソーラーパネルを促進するインセンティブが高まる。
しかしこのソーラーパネル、意外なことにバッテリーへの充電はできず、駐車中の車内の換気に留まるというのにはがっかり。リモートで空調をオンにすることができるなどのおまけつきだが、それでも、日向に駐車した車に戻った際にエアコンをがんがんつけて車内を冷やす電力が節約できるというだけらしい。バッテリーにつなげて充電して、そのパワーだけで車を動かせるようになるようになるにはまだ何年も先、とのこと。
それでもすでにウェイトリストができているこの新型プリウス、その関心と需要に目をつけて、標準プリウスに取り付けられるソーラーパネルを生産しているSolar Electric Vehiclesという会社がある。これによって、一日あたり15マイル走行できるだけのパワーが得られるらしい。この外付けシステムは3500ドル、一つ生産するのに1週間程度かかる。注文が殺到していて、この数週間は注文を裁くだけでいっぱいいっぱいだという。自分で取り付けることもできるという手軽なものだ。
いずれにしても明るい第一歩だが、それでも課題は多い。まずバッテリーにつなげて車を動かすためには巨大な表面積が必要で、車一台のルーフの表面積ではまったく足りないのだ。車のルーフに取り付けるのではなく、例えば駐車場の屋根全体にソーラーパネルを取り付けるなどした方が現実的だという声もあがっている。
もう一つの課題は、ソーラーパネルのコストが高いことだ。ただ、高まる需要に伴いコストはだんだん下がり、生産性はあがっていて、ある調査によると、2010年までにはパネルの材料となるCrystalline siliconシリコンの生産量も、生産性も大きく進化するとされている。今日1ワットあたり1.9ドルかかるコストが、5年以内には1ドルに下がると見込まれている。特にエネルギー費用が高いとされているニューヨーク、San Diego, San Francisco, Las Vegas, Phoenixでは、2015年までには今Natural Gasで作られているエネルギーだが、そのコストを超すとされている。
つまり日射時間の長く、既存のエネルギーコストが高いカリフォルニアでは、ますますソーラーパネルを促進するインセンティブが高まる。
2009年6月14日日曜日
マラソンブームは日本だけじゃない!シリコンバレーにはリッチなランナーが多かった
遅ればせながら、つい最近日本のランニングブームについて知った。今まで運動と言えば、ヨガくらいしかしていなかった友達さえ、「皇居の周りを走っている」とか「東京マラソンの抽選に漏れた〜」と悔しがっているので何ごとかと思ったら、実は全国的なブームだったんですね。
確かに今までファッションとレストラン情報が中心だった女性向けのウェブサイトを見ても、「 うしろ姿も手を抜かない! 褒められRUNファッション」とか、「女性らしく華やかに。上半身は色使いが決め手」とか、スポーツが目的でありながらファッション化している様子が伺える。
ブームのきっかけは2007年に始まった東京マラソンとのことだが、その東京マラソン、今年は35,000人の定員に対して、 261,981人の応募があったと言う(10K含む)。昨年からしても68%の伸びという、驚異的な倍率。
各スポーツメーカも、このブームを利用しない手はない。ランニング専門店をオープンしてランニングウェアのラインナップを充実させたり、雑誌で特集を組んだり、また定期的に練習会を企画しているらしい。ランニングスカート?という新たな市場の開拓に代表されるように、ビジネスチャンスを逃さないというところがいかにも日本らしい!(いまだに実物を見たことのなく、テニス用のスコートとの違いがいまいちわかっていませんが。。。)
いずれにしても、東京がランニングによって活性化して、かつビジネス的にも新たなマーケットが確立して、その上みんな健康になるのであれば、それに超したことはない。
一方海外では、ホノルルマラソンとかニューヨークシティマラソンとか、ボストンマラソンとか、数万人規模の代表的なマラソン大会は数多くあり、歴史も長い。ここサンフランシスコでもランニング文化は広く浸透していて、街のそこらじゅうをランナーが駆け巡っている。とにかくランナーと犬が多い街だ。特に日曜朝のサンフランシスコは極端。そもそも早起きしているのは、ジョギングしている人、ヨガに行く人、そして犬の散歩をしている人くらいだとも言える。つまり週末朝のサンフランシスコは、ランナー、ヨガマットを肩にかけたベジタリアンっぽい細身の女性たち、それから犬の散歩をする飼い主がほぼ大半を占めていると言っても大げさではない。
しかもこのエリアには、ハードコアなランナーがやたらと多い。湾沿いのマリーナと呼ばれるエリアはゴールデンゲートが見える絶景のランニングコースだということもあり、ランニング用に設計された乳母車に赤ちゃんを載せて押しながら走るママランナー、犬と一緒に走るランナー、サンフランシスコ特有の急な坂を駆け上っては下り、また駆け上るという体育会系なノリの年配ランナーたちが結構いるのだ。
友達や同僚と話していても、ジョギングやマラソンの浸透率を実感する。ジョギング、という軽いノリではなく、ハーフマラソンはもちろんのこと、フルマラソン、さらにはトライアスロンの経験者も結構いるのだ(しかも女性も多い!)
そこで全米、カリフォルニア、そしてシリコンバレー〜サンフランシスコにかけた地域、いわゆる「ベイエリア」のマラソン人口は果たしてどれくらいなのか、調べてみた。
まずは全米規模のデータから。
ロードレースを完走した人口の推移を見ると、年々着実に増加の一途をたどっている(ロードレースとは、5キロからフルマラソン、市民大会からオリンピックまで、公式タイムの出るレースは何でも含まれる)。2007年のデータだとほぼ900万人。データがないために残念ながら未確認だが、同じ伸び率が適用されると仮定すれば、2009年には1000万人は超えていてもおかしくない。
では次に、主要都市レベルでのデータ。以下のグラフは、アメリカの主要都市の中で「ランナー」の比率が高い都市のランキングになっている。これによると、 San Francisco /Oakland/San Joseを含むベイエリアは、第一位。一年を通して天気は良く湿気も低く、また健康志向が強いことを考えれば、納得のいく結果だ。
でも「ランナー」の定義って?そんな疑問に答えるべく、「ランナー」という曖昧な定義を「マラソン完走者」という明確な定義に置き換えた、各市の全人口に対するマラソン完走者の比率ランキングを紹介。すると予想に反して、カリフォルニアの市が一気にランキングから消える。前述のグラフ2よりももっと細かい「市」レベルで集計しているランキングなので一概にグラフ2と比較することはできないが、それにしてもベイエリアどころかカリフォルニアの中でもランクインした都市は Irvineのみ、という散々な結果だ。
ここでこのデータの提供者は、マラソン完走者率と各市の相関性を調べている。まずは公園の数を調べたが、何の相関性も見つからず。次に人口密度に目をつけたが、 これも失敗。人口密度の高い市も低い市も、ともに完走者数トップに名をあげているのだ。
彼がいろいろな角度から分析した結果、ようやく見つけた法則はマラソン完走者数と住民の職業分布との相関性だった。管理職、プロフェッショナル(専門職)、つまり高学歴なエリートサラリーマンたちが多い市で、高いマラソン完走者率が見られたのだ。高い生活水準と安定した経済力がマラソン完走者率のカギだった、ということになる。
となるとベイエリアは典型的なランナーの街として、ランキングに名を連ねそうだけど、何故グラフ3からは漏れているのか??その答えとなる別のランキングを見つけた。
以下のグラフは、市ごとの平均マラソン完走タイムのワースト10だ。このタイムが遅い市ほど、トレーニングを積み重ねたエリートランナーが少なく、初級者ランナーの比率が多いということになる。見ておわかりのように、何とすべてカリフォルニアの市で占められているのだ!
以上の複数のデータを合わせると、カリフォルニア、特にベイエリアは初心者を含めて、走るという習慣がより広く浸透しているということになる。マラソンでタイムを競うようないわゆる「エリートランナー」という観点では、全米トップ10にかすりもしないが、ゆるい定義の「ランナー」の比率では全米一。つまりランニングの敷居が低く、誰でも挑戦できるという環境と文化を作り出しているということになる。
さらに、前述のランニングと職業分布の相関性からも、ベイエリアのランナー数が多いのは納得がいく。健康志向が高いことに加え、ストレス発散の効果も期待されるランニングは、ハイテクエリアに住むエリートたちに最適な趣味であり、息抜きになっているのだ。シリコンバレーで数多く生まれるサクセスストーリーの秘訣はランニング?にあるのかも。
確かに今までファッションとレストラン情報が中心だった女性向けのウェブサイトを見ても、「 うしろ姿も手を抜かない! 褒められRUNファッション」とか、「女性らしく華やかに。上半身は色使いが決め手」とか、スポーツが目的でありながらファッション化している様子が伺える。
ブームのきっかけは2007年に始まった東京マラソンとのことだが、その東京マラソン、今年は35,000人の定員に対して、 261,981人の応募があったと言う(10K含む)。昨年からしても68%の伸びという、驚異的な倍率。
各スポーツメーカも、このブームを利用しない手はない。ランニング専門店をオープンしてランニングウェアのラインナップを充実させたり、雑誌で特集を組んだり、また定期的に練習会を企画しているらしい。ランニングスカート?という新たな市場の開拓に代表されるように、ビジネスチャンスを逃さないというところがいかにも日本らしい!(いまだに実物を見たことのなく、テニス用のスコートとの違いがいまいちわかっていませんが。。。)
いずれにしても、東京がランニングによって活性化して、かつビジネス的にも新たなマーケットが確立して、その上みんな健康になるのであれば、それに超したことはない。
一方海外では、ホノルルマラソンとかニューヨークシティマラソンとか、ボストンマラソンとか、数万人規模の代表的なマラソン大会は数多くあり、歴史も長い。ここサンフランシスコでもランニング文化は広く浸透していて、街のそこらじゅうをランナーが駆け巡っている。とにかくランナーと犬が多い街だ。特に日曜朝のサンフランシスコは極端。そもそも早起きしているのは、ジョギングしている人、ヨガに行く人、そして犬の散歩をしている人くらいだとも言える。つまり週末朝のサンフランシスコは、ランナー、ヨガマットを肩にかけたベジタリアンっぽい細身の女性たち、それから犬の散歩をする飼い主がほぼ大半を占めていると言っても大げさではない。
しかもこのエリアには、ハードコアなランナーがやたらと多い。湾沿いのマリーナと呼ばれるエリアはゴールデンゲートが見える絶景のランニングコースだということもあり、ランニング用に設計された乳母車に赤ちゃんを載せて押しながら走るママランナー、犬と一緒に走るランナー、サンフランシスコ特有の急な坂を駆け上っては下り、また駆け上るという体育会系なノリの年配ランナーたちが結構いるのだ。
友達や同僚と話していても、ジョギングやマラソンの浸透率を実感する。ジョギング、という軽いノリではなく、ハーフマラソンはもちろんのこと、フルマラソン、さらにはトライアスロンの経験者も結構いるのだ(しかも女性も多い!)
そこで全米、カリフォルニア、そしてシリコンバレー〜サンフランシスコにかけた地域、いわゆる「ベイエリア」のマラソン人口は果たしてどれくらいなのか、調べてみた。
まずは全米規模のデータから。
ロードレースを完走した人口の推移を見ると、年々着実に増加の一途をたどっている(ロードレースとは、5キロからフルマラソン、市民大会からオリンピックまで、公式タイムの出るレースは何でも含まれる)。2007年のデータだとほぼ900万人。データがないために残念ながら未確認だが、同じ伸び率が適用されると仮定すれば、2009年には1000万人は超えていてもおかしくない。
では次に、主要都市レベルでのデータ。以下のグラフは、アメリカの主要都市の中で「ランナー」の比率が高い都市のランキングになっている。これによると、 San Francisco /Oakland/San Joseを含むベイエリアは、第一位。一年を通して天気は良く湿気も低く、また健康志向が強いことを考えれば、納得のいく結果だ。
でも「ランナー」の定義って?そんな疑問に答えるべく、「ランナー」という曖昧な定義を「マラソン完走者」という明確な定義に置き換えた、各市の全人口に対するマラソン完走者の比率ランキングを紹介。すると予想に反して、カリフォルニアの市が一気にランキングから消える。前述のグラフ2よりももっと細かい「市」レベルで集計しているランキングなので一概にグラフ2と比較することはできないが、それにしてもベイエリアどころかカリフォルニアの中でもランクインした都市は Irvineのみ、という散々な結果だ。
ここでこのデータの提供者は、マラソン完走者率と各市の相関性を調べている。まずは公園の数を調べたが、何の相関性も見つからず。次に人口密度に目をつけたが、 これも失敗。人口密度の高い市も低い市も、ともに完走者数トップに名をあげているのだ。
彼がいろいろな角度から分析した結果、ようやく見つけた法則はマラソン完走者数と住民の職業分布との相関性だった。管理職、プロフェッショナル(専門職)、つまり高学歴なエリートサラリーマンたちが多い市で、高いマラソン完走者率が見られたのだ。高い生活水準と安定した経済力がマラソン完走者率のカギだった、ということになる。
となるとベイエリアは典型的なランナーの街として、ランキングに名を連ねそうだけど、何故グラフ3からは漏れているのか??その答えとなる別のランキングを見つけた。
以下のグラフは、市ごとの平均マラソン完走タイムのワースト10だ。このタイムが遅い市ほど、トレーニングを積み重ねたエリートランナーが少なく、初級者ランナーの比率が多いということになる。見ておわかりのように、何とすべてカリフォルニアの市で占められているのだ!
以上の複数のデータを合わせると、カリフォルニア、特にベイエリアは初心者を含めて、走るという習慣がより広く浸透しているということになる。マラソンでタイムを競うようないわゆる「エリートランナー」という観点では、全米トップ10にかすりもしないが、ゆるい定義の「ランナー」の比率では全米一。つまりランニングの敷居が低く、誰でも挑戦できるという環境と文化を作り出しているということになる。
さらに、前述のランニングと職業分布の相関性からも、ベイエリアのランナー数が多いのは納得がいく。健康志向が高いことに加え、ストレス発散の効果も期待されるランニングは、ハイテクエリアに住むエリートたちに最適な趣味であり、息抜きになっているのだ。シリコンバレーで数多く生まれるサクセスストーリーの秘訣はランニング?にあるのかも。
2009年6月7日日曜日
iphone人気の理由はアプリにあり?
日本では伸び悩んでいるiPhoneだが、アメリカでの人気は留まるところを知らない。シリコンバレーという土地柄もあるんだろうけど、わたしの同僚の間でのiPhone所持率は50%を超えている。またこれも土地柄なのかもしれないが、ユーザーとして所持するだけではなく、ディベロッパーとしてiPhone用のアプリケーションを開発するという点でも盛り上がりを見せている。多くの企業やサービスがPCウェブ用の既存アプリケーションをiPhone用に書き替えるというケースはもちろんのこと、iPhone向けとして新たに開発されるアプリの数も急増。本業や学業の傍ら気軽に作ったアプリケーションが大当たりして立派な収入源になるという夢のある成功例が増えているため、ある種トレンドのようにすらなっているのだ。右のグラフに見られるように、iPhoneアプリ数は順調に増加中。今年5月中旬時点で46,000以上が公開されていて、この豊富さがiPhone人気の大きな理由とも言われる。とあっては、競合が目をつけないわけはない。
Blackberryを手がける RIM(Research in motion)は、今期からディベロッパーが開発したアプリケーションを集めた「AppWorld Website」をリリース。このオンラインストアを設けることによって、アプリケーションの「ワンストップショッピング」化を実現させようとしている。ではアップルとの違いは何なのか?
まずはディベロッパーにとっての違いから。ブラックベリーの場合、ディベロッパーは自分のアプリケーションをオンラインストアに登録するのに、「登録料」という名目で200ドルを払わないといけない。その上、RIM の審査を通らないとオンラインストアに参加することができない。RIMはこのプロセスを通すことで、掲載アプリの質を保とうとしている。一方iPhone の登録料は99ドルから299ドルと異なるが、これは主に個人ディベロッパーか企業ディベロッパーかの違いによるものだ。個人であれば、99ドルが主流と仮定できるが、これは年間料なので毎年更新するたびに払わないといけない。では、ディベロッパーの大きなインセンティブとなるレベニューシェアの割合はどのように違うのか。アップルは全収益の70%をディベロッパーに支払うのに対してRIMは80%。審査が厳しい分、分配率も高いと言ったところだろうか。
では我々ユーザにとってのメリット、デメリットは?ブラックベリーについてまずあげられるのが、各アプリケーションの単価が高いこと。iPhoneのアプリケーションは無料や99セントのものが多く、平均価格も2.5ドルに留まる。対してブラックベリーのアプリケーションは最低で2.99ドル、平均するとほぼ3-4ドルにまでなる。ただ一方で、iPhoneよりも複雑なものが多い。つまり複雑なだから単価も高い、とも言える。ちなみにこの値段、初期ダウンロード時にかかるだけで、一度インストールしてしまえばその後は無料だ。ブラックベリーのもう一つの欠点は、決済がPaypalを通してのみ行われること。Paypalという外部システムに頼っていること(しかもPaypalの安定性はいまいち?)、また利用者がPaypalのアカウントを持っていることが条件になるという点は、大きなマイナス点だと言える。
ここでもう少しアプリケーションの質と単価について考えてみたい。先に触れたように、iPhoneは無料もしくはせいぜい99セントのものが多い。ただ質はと言えば、あきれるというか、笑うしかないというか、本当にくだらないものも多い。実際「ゲーム」と呼ばれるものは5分の1にも満たず、「エンターテインメント」に分類されるものがゲームに並ぶくらい多いのだ。
「エンターテインメント」カテゴリーに分類されるアプリとは、例えばiPhoneを銃のように見立てて遊ぶもの。アプリケーションを立ち上げると銃の絵が画面に現れて、発射ボタンを押すと銃のような音をたてる。ただそれだけ。それによって得点が稼げるわけでも敵を倒すわけでもないので、ゲームと呼ぶにはほど遠い。また日本人にもウケそうなのが、暇つぶしのプチプチ。画面を緩衝材として使われるシート状のプチプチ(ポリエチレン製の無数の気泡のシート)に見立てて、単に気泡をつぶしていく。ゲームとして早さを競うわけでもなく、ただ単にプチプチをつぶすというだけ。他にはライターのように着火できる(もちろん画面上でだけ)というアプリケーションもある。強く振ったり吹いたりすると火が揺れたりする。
さらに一歩進化した「ゲーム」と呼ばれるカテゴリーを見てみても、一番人気はFlight Controlという超単純な飛行機操縦ゲーム。ランダムに画面上に現れる飛行機やヘリコプター同士が衝突しないように、着陸路に誘導する。だんだん飛行機の数が増えてくるので着陸路は忙しくなり、その分手早く誘導しないといけないのだが、それでも着陸路数が急激に変わったり構造が複雑になるわけではない。そんな至って単純なこのゲームは99セントで売られていて、今年の3月以降で70万ダウンロードを、ピーク時には一日2万ダウンロードを記録したという。
これほど単純なゲーム(ゲームとも呼べないようなものも含めて)がiPhoneユーザーにウケている、という一見不思議に見えるこの傾向。実はこのような単純アプリケーションが、iPhoneの勢いを支えていると言っても過言ではないのだ。ある見解によると、こういうものがはやるのにはいくつかの理由があるという。まずは空き時間が数分あれば手軽にできること。頭を使って考える必要がなく、しかも複雑なゲームではないので完結しなくてもいい。いつでも始められていつでも辞められるので、たった5分の待ち時間にでも気軽に遊べてしまう。そしてその気軽さがゆえに、罪悪感を感じることなく遊べる。つまりたった5分だったら時間を無駄にしている罪悪感もないし、逆に有効に利用しているような錯覚にすら陥る。1時間続けて集中しないと満足感が得られない複雑なロールプレーゲームとは違う。また罪悪感と言えば、金銭的な負担が少ないのも大きなポイントだろう。無料かせいぜい99セントであれば、10回で飽きたとしても、まいっかと思えてしまう。
iPhoneユーザ一人あたりの平均アプリケーション数は20で、どの競合と比較しても飛び抜けて高いというデータが出ている。また、i-phoneユーザのアプリケーションあたりの平均利用回数は10回程度というデータも出ている。これは無料や99セントという格安な値段のものが多いという結果だろう。
このようなデータからもわかるように、iPhoneは電話を超えて多様プラットフォームと化している。裏を返せば、それが日本ではいまいちウケていない要因とも言えるだろう。では、実際にユーザがiPhoneを電話として使っている時間と、音声以外のアプリケーションを利用している時間に特徴は見られるのか。
1年前のデータなので最新とは言えないが、International Business Timesによると、iPhoneユーザが電話として利用する時間はたった46.5%だということが判明 。一方でブラックベリーの利用者は71.7% が電話として利用していた。また、同レポートによると、利用時間のうちiPhoneからのインターネットへのアクセス時間は12%以上。他の携帯電話からのネットへのアクセス時間は2.4%であることと比較すると、異様に高い数値だと言える。
また平均iPhoneユーザは全利用時間の11.9% 、音楽を聞いている。他の携帯電話ユーザでは、この数値も 2.5% にとどまる。これらのデータに証明されるように、iPhoneは単なる電話としてではなく、エンターテイメントのプラットフォームとして、携帯電話以上の機能とイメージを確立したと言える。
この影響は携帯電話、スマートフォン業者だけには留まらない。例えば任天堂が今年の4月に発売して順調な伸びを見せているDSi、その好調な要因のひとつはアップルを真似たオンラインのアプリケーションストアだと言われている。ディベロッパーの開発したゲームが数ドルで売られていて、ユーザはiPhoneのように即座にオンラインストアからアプリをダウンロードして遊ぶことができる。このように、伝統的な携帯電話業者ではないゲーム会社が競合としてあがってくること自体、アップルがいかに携帯市場外に影響力を広げ、ある意味新たな市場を開拓したかということが裏付けられる。
とはいえども、当面の脅威は伝統的「同業者」のスマートフォン、ブラックベリーやGoogleのアンドロイド、また新機種の発売を発表したPalm。例えばブラックベリーの場合、ビジネス用途が主流というブランドイメージの転換、オンラインストアの活性化(ユーザがいないところにはディベロッパーは集まらないし、逆もしかり、というネットワーク効果をどう作り出せるか)、そしてアップルのようにユーザを常に飽きさせないスピード感をいかに備えるか、などさまざまな挑戦が待ち受けている。スマートフォン競争は一層熾烈になると予想されるが、消費者にとってオプションが増えるのは大歓迎だ。
Blackberryを手がける RIM(Research in motion)は、今期からディベロッパーが開発したアプリケーションを集めた「AppWorld Website」をリリース。このオンラインストアを設けることによって、アプリケーションの「ワンストップショッピング」化を実現させようとしている。ではアップルとの違いは何なのか?
まずはディベロッパーにとっての違いから。ブラックベリーの場合、ディベロッパーは自分のアプリケーションをオンラインストアに登録するのに、「登録料」という名目で200ドルを払わないといけない。その上、RIM の審査を通らないとオンラインストアに参加することができない。RIMはこのプロセスを通すことで、掲載アプリの質を保とうとしている。一方iPhone の登録料は99ドルから299ドルと異なるが、これは主に個人ディベロッパーか企業ディベロッパーかの違いによるものだ。個人であれば、99ドルが主流と仮定できるが、これは年間料なので毎年更新するたびに払わないといけない。では、ディベロッパーの大きなインセンティブとなるレベニューシェアの割合はどのように違うのか。アップルは全収益の70%をディベロッパーに支払うのに対してRIMは80%。審査が厳しい分、分配率も高いと言ったところだろうか。
では我々ユーザにとってのメリット、デメリットは?ブラックベリーについてまずあげられるのが、各アプリケーションの単価が高いこと。iPhoneのアプリケーションは無料や99セントのものが多く、平均価格も2.5ドルに留まる。対してブラックベリーのアプリケーションは最低で2.99ドル、平均するとほぼ3-4ドルにまでなる。ただ一方で、iPhoneよりも複雑なものが多い。つまり複雑なだから単価も高い、とも言える。ちなみにこの値段、初期ダウンロード時にかかるだけで、一度インストールしてしまえばその後は無料だ。ブラックベリーのもう一つの欠点は、決済がPaypalを通してのみ行われること。Paypalという外部システムに頼っていること(しかもPaypalの安定性はいまいち?)、また利用者がPaypalのアカウントを持っていることが条件になるという点は、大きなマイナス点だと言える。
ここでもう少しアプリケーションの質と単価について考えてみたい。先に触れたように、iPhoneは無料もしくはせいぜい99セントのものが多い。ただ質はと言えば、あきれるというか、笑うしかないというか、本当にくだらないものも多い。実際「ゲーム」と呼ばれるものは5分の1にも満たず、「エンターテインメント」に分類されるものがゲームに並ぶくらい多いのだ。
「エンターテインメント」カテゴリーに分類されるアプリとは、例えばiPhoneを銃のように見立てて遊ぶもの。アプリケーションを立ち上げると銃の絵が画面に現れて、発射ボタンを押すと銃のような音をたてる。ただそれだけ。それによって得点が稼げるわけでも敵を倒すわけでもないので、ゲームと呼ぶにはほど遠い。また日本人にもウケそうなのが、暇つぶしのプチプチ。画面を緩衝材として使われるシート状のプチプチ(ポリエチレン製の無数の気泡のシート)に見立てて、単に気泡をつぶしていく。ゲームとして早さを競うわけでもなく、ただ単にプチプチをつぶすというだけ。他にはライターのように着火できる(もちろん画面上でだけ)というアプリケーションもある。強く振ったり吹いたりすると火が揺れたりする。
さらに一歩進化した「ゲーム」と呼ばれるカテゴリーを見てみても、一番人気はFlight Controlという超単純な飛行機操縦ゲーム。ランダムに画面上に現れる飛行機やヘリコプター同士が衝突しないように、着陸路に誘導する。だんだん飛行機の数が増えてくるので着陸路は忙しくなり、その分手早く誘導しないといけないのだが、それでも着陸路数が急激に変わったり構造が複雑になるわけではない。そんな至って単純なこのゲームは99セントで売られていて、今年の3月以降で70万ダウンロードを、ピーク時には一日2万ダウンロードを記録したという。
これほど単純なゲーム(ゲームとも呼べないようなものも含めて)がiPhoneユーザーにウケている、という一見不思議に見えるこの傾向。実はこのような単純アプリケーションが、iPhoneの勢いを支えていると言っても過言ではないのだ。ある見解によると、こういうものがはやるのにはいくつかの理由があるという。まずは空き時間が数分あれば手軽にできること。頭を使って考える必要がなく、しかも複雑なゲームではないので完結しなくてもいい。いつでも始められていつでも辞められるので、たった5分の待ち時間にでも気軽に遊べてしまう。そしてその気軽さがゆえに、罪悪感を感じることなく遊べる。つまりたった5分だったら時間を無駄にしている罪悪感もないし、逆に有効に利用しているような錯覚にすら陥る。1時間続けて集中しないと満足感が得られない複雑なロールプレーゲームとは違う。また罪悪感と言えば、金銭的な負担が少ないのも大きなポイントだろう。無料かせいぜい99セントであれば、10回で飽きたとしても、まいっかと思えてしまう。
iPhoneユーザ一人あたりの平均アプリケーション数は20で、どの競合と比較しても飛び抜けて高いというデータが出ている。また、i-phoneユーザのアプリケーションあたりの平均利用回数は10回程度というデータも出ている。これは無料や99セントという格安な値段のものが多いという結果だろう。
このようなデータからもわかるように、iPhoneは電話を超えて多様プラットフォームと化している。裏を返せば、それが日本ではいまいちウケていない要因とも言えるだろう。では、実際にユーザがiPhoneを電話として使っている時間と、音声以外のアプリケーションを利用している時間に特徴は見られるのか。
1年前のデータなので最新とは言えないが、International Business Timesによると、iPhoneユーザが電話として利用する時間はたった46.5%だということが判明 。一方でブラックベリーの利用者は71.7% が電話として利用していた。また、同レポートによると、利用時間のうちiPhoneからのインターネットへのアクセス時間は12%以上。他の携帯電話からのネットへのアクセス時間は2.4%であることと比較すると、異様に高い数値だと言える。
また平均iPhoneユーザは全利用時間の11.9% 、音楽を聞いている。他の携帯電話ユーザでは、この数値も 2.5% にとどまる。これらのデータに証明されるように、iPhoneは単なる電話としてではなく、エンターテイメントのプラットフォームとして、携帯電話以上の機能とイメージを確立したと言える。
この影響は携帯電話、スマートフォン業者だけには留まらない。例えば任天堂が今年の4月に発売して順調な伸びを見せているDSi、その好調な要因のひとつはアップルを真似たオンラインのアプリケーションストアだと言われている。ディベロッパーの開発したゲームが数ドルで売られていて、ユーザはiPhoneのように即座にオンラインストアからアプリをダウンロードして遊ぶことができる。このように、伝統的な携帯電話業者ではないゲーム会社が競合としてあがってくること自体、アップルがいかに携帯市場外に影響力を広げ、ある意味新たな市場を開拓したかということが裏付けられる。
とはいえども、当面の脅威は伝統的「同業者」のスマートフォン、ブラックベリーやGoogleのアンドロイド、また新機種の発売を発表したPalm。例えばブラックベリーの場合、ビジネス用途が主流というブランドイメージの転換、オンラインストアの活性化(ユーザがいないところにはディベロッパーは集まらないし、逆もしかり、というネットワーク効果をどう作り出せるか)、そしてアップルのようにユーザを常に飽きさせないスピード感をいかに備えるか、などさまざまな挑戦が待ち受けている。スマートフォン競争は一層熾烈になると予想されるが、消費者にとってオプションが増えるのは大歓迎だ。
2009年6月1日月曜日
Twitterは企業の味方か敵か
以前話題に取り上げたTwitter、個人ユーザだけではなくセレブや企業もプロモーション活動やユーザからの情報源として多いに活用していると書いたが、最近そのオープンさが逆に企業の悩みの種となっている。企業の公式アカウントであれば企業の完全コントロール化にあり心配ないが、問題は社員や企業関係者からのランダムな情報発信。社員や契約社員が、企業の幹部、クライアントや顧客に関する悪口を発信したり、ある会社の面接を受けた人がその会社に対する悪印象をネット上に発信するケースが増えているという。
もちろんTwitter以前も、ブログやフェースブックなど社員がネット上で会社の話題をネットに持ち込むことは可能だったが、Twitterによってその「気軽さ」に拍車がかかった。携帯から発信できることも手伝って(フェースブックは最近まで携帯からの書き込みが制限されていた)、ちょっとしたぼやきを酔っぱらったついでに友達に愚痴る感覚でブロードキャストしてしまうのである。競合に社内機密を流してしまったり、社員や企業幹部の悪口を書いたり、また顧客の愚痴をこぼしたり。不適切なTweetsのせいでクビになるというケースも出てきている。
その対策の一つとして、ソーシャルネットワークサイトへの社内からのアクセスを制限している企業も増えているが、会社外からのアクセスや携帯からのアクセスまで制限することはできない。また、アクセス制限をすることが必ずしも根本的な解決にはならない。やるなと言われれば抜け道を見つけてさらにやりたくなるのが人間の心理。また、企業にとってもこの新たなツールを最大限利用すれば新規顧客層にリーチできるという大きなビジネスチャンスでもあるので、完全にそのツールを禁止したくない。ただマネージメント層の多くはTwitter世代でないがゆえ、実際に自分や周りの友達が利用していなければ、その心理もルールもわからないのだ。
このジレンマを克服すべく、最近では外部のコンサルティングチームを雇ったり社内に専属チームを作って「Twitter対策」に積極的に乗り出す企業も増えているという。例えばGEは10人ほどのチームを立ち上げて、社名に関するTweetsを積極的にモニターしている。また、「ぼやき」を社外に流す前に社内ネットワーク内で解決しようという試みも行われている。つまり、社内ソーシャルネットワークを立ち上げて、不満をまずは社内で解決しようというわけだ。ただ身元がすぐにわかってしまう社内という枠で、社員がどれだけオープンになれるのかというのは疑問だけど。
個人的には、学校でのIT教育の一環としてソーシャルネットワークを利用する上でのマナーとか道徳とかをどんどん積極的に教えるべきだと思う(長期的な対策だけど)。そういうクラスは単なるテクノロジーだけを教えるのではなく、マナーもきちんと理解させるべき。この手の問題って特に目新しいものでも複雑なものでもなく、基本的な道徳観と常識があれば簡単に応用できるものだと思う。となれば、子供にも簡単に理解できるはず。
もちろんTwitter以前も、ブログやフェースブックなど社員がネット上で会社の話題をネットに持ち込むことは可能だったが、Twitterによってその「気軽さ」に拍車がかかった。携帯から発信できることも手伝って(フェースブックは最近まで携帯からの書き込みが制限されていた)、ちょっとしたぼやきを酔っぱらったついでに友達に愚痴る感覚でブロードキャストしてしまうのである。競合に社内機密を流してしまったり、社員や企業幹部の悪口を書いたり、また顧客の愚痴をこぼしたり。不適切なTweetsのせいでクビになるというケースも出てきている。
その対策の一つとして、ソーシャルネットワークサイトへの社内からのアクセスを制限している企業も増えているが、会社外からのアクセスや携帯からのアクセスまで制限することはできない。また、アクセス制限をすることが必ずしも根本的な解決にはならない。やるなと言われれば抜け道を見つけてさらにやりたくなるのが人間の心理。また、企業にとってもこの新たなツールを最大限利用すれば新規顧客層にリーチできるという大きなビジネスチャンスでもあるので、完全にそのツールを禁止したくない。ただマネージメント層の多くはTwitter世代でないがゆえ、実際に自分や周りの友達が利用していなければ、その心理もルールもわからないのだ。
このジレンマを克服すべく、最近では外部のコンサルティングチームを雇ったり社内に専属チームを作って「Twitter対策」に積極的に乗り出す企業も増えているという。例えばGEは10人ほどのチームを立ち上げて、社名に関するTweetsを積極的にモニターしている。また、「ぼやき」を社外に流す前に社内ネットワーク内で解決しようという試みも行われている。つまり、社内ソーシャルネットワークを立ち上げて、不満をまずは社内で解決しようというわけだ。ただ身元がすぐにわかってしまう社内という枠で、社員がどれだけオープンになれるのかというのは疑問だけど。
個人的には、学校でのIT教育の一環としてソーシャルネットワークを利用する上でのマナーとか道徳とかをどんどん積極的に教えるべきだと思う(長期的な対策だけど)。そういうクラスは単なるテクノロジーだけを教えるのではなく、マナーもきちんと理解させるべき。この手の問題って特に目新しいものでも複雑なものでもなく、基本的な道徳観と常識があれば簡単に応用できるものだと思う。となれば、子供にも簡単に理解できるはず。
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