ツイッターのIPOに向けたさまざまな憶測が飛び交っているが、その一つは不動産に対する影響だ。
企業のIPOと不動産?というとピンとくるようなピンとこないような話だが、これにはいくつかのインプリケーションがある。
まずは過去の例を見てみる。
例えばグーグル。グーグルが拠点に選んだマウンテンビューはもちろんのことだが、以下のグラフに見られるように、グーグルがIPOをした2004年を境にサンフランシスコの特定のエリアの価値が平均以上にあがったことが報告されている。その地域とは、マウンテンビューを含むサウスベイへのアクセスが比較的良い、Noe valley, Potrero Hill, Soma, South beach などに代表されるエリアだ。
フェースブックが上場した2012年には、フェースブックのキャンパス周辺のメンロパークの不動産価格が上昇した。がグーグルと同様、その影響は30マイル以上北に位置するサンフランシスコにも及んだ。市内でも特に、若者に人気がありメンロパークを含むサウスベイへのアクセスが良い、Noe Valley, the Mission, and Liberty Hillといったのエリアの不動産価格があがったと言われている。
IPOによってリッチになった社員が、マイホームの購入や投資のための不動産購入に踏み切った結果だ。
となると、ツイッターのIPOの影響に対する憶測が飛び交うのも自然だろう。
グーグルやフェースブックと異なるのは、ツイッターがサンフランシスコに拠点を構えているとこと。つまり、その影響はサンフランシスコ市内の不動産に「さらに」集中するだろう。
売り手となる不動産オーナーにとってはうれしい話だが、他の買い手にとっては迷惑な話だ。サンフランシスコの不動産は圧倒的に中古物件が多いので、購買プロセスは交渉の連続だ。複数のオファーが入ればオークション状態になり、いわゆる「bidding war」に突入する。
グーグルやフェースブックのときには、一夜にして億万長者となった株主が、全額キャッシュでリスティング(売り手の希望価格)を上回る価格をオファーし、「bidding war」に終止符を打つというケースも少なくなかったようだ。
関連したようなしていないような話ではあるが、フェースブックがキャンパスの近くに社宅を建てることを発表した。社員のために120ミリオンドルをかけて、394戸のコンプレックスを設立するという。
自社の成功が故に、釣り上がった周辺の不動産価格。そしてその解決策として社宅を建てる。フェースブックがメンロパーク市を乗っ取る日も遠くないだろう(ていうか、すでに乗っ取り済みという話もあるけど)。
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