2013年10月5日土曜日

アメリカ政府シャットダウンがシリコンバレーに与える影響。ツイッターの上場は遅れるのか?


アメリカ政府が通称「オバマケア」という医療保険制度を中心とした来年度予算の合意ができず、政府機能のシャットダウンを余儀なくされた。これは17年ぶりという惨事だ。その結果、国防関連や郵便局に代表されるような人々の身の安全や生活に大きな支障を与える機関を除いては、10月2日以来は実質「シャットダウン」状態となっている。

では、ワシントンD.C.から遠く離れたシリコンバレーへの影響はどうだろうか。

まずは身近な例から。ビジネスへの影響は直接的ではないものの、ヨセミテに代表されるようなカリフォルニアの有数の国立公園はすべて「シャットダウン」。数ヶ月前から公園内のキャンプ場を予約していて楽しみにしていた人たちも、泣く泣く予定を変更せざるを得ないなんて、誰が予想しただろう。(ちなみに数ヶ月前には大きな火事のためにヨセミテ国立公園がしばらく閉鎖したりと、この国立公園、今年は何かと不運な出来事が続いている)

またシリコンバレーと言えば、H1Bビザを持つ外国国籍の労働力の占める割合が一番高い地域とされる(いわゆる'H1B intensity'と言われる密度)。このビザ認定プロセスについても、シャットダウンによって滞ることが予想される。パスポート関連のサービスについても遅れが出ると見られるので、急な海外出張でパスポートを更新しないといけないという場合にも多少の影響があるかもしれない。

グーグルのようなシリコンバレーを代表する大企業、しかも政府との取引が多い企業にとっては、このシャットダウンによりビジネスがスローダウンする可能性がある。政府関連のプロジェクトは一旦保留となり、その結果収益にも影響するだろう。グーグル以外に例えばマイクロソフトなど、カリフォルニア外に本社を構えながらシリコンバレーで大規模なオペレーションを行う企業についても、同じことが言える。企業規模の大小に関わらず、政府関連の機関のITをサポートする企業への影響も避けられない。

最後に、シャットダウンとともに課題となっている10月17日がデッドラインとなっている「債務の上限の引き上げ」の行く末次第では、上場手続きの真っただ中にあるシリコンバレーの企業も影響を受けるだろう。

上場と言えば、ツイッターが上場の手続きを始めたと発表した。ツイッター上場のタイムラインへの影響は、プロセスの段階によると言う。まだ手続きの初期段階であれば影響は最小限に留まるが、最終段階であればそのタイムラインへの影響は大きくなり得る。

いずれにしても、このシャットダウンが長引けば長引くほど、以上の分野以外にもさまざまなところで影響が出てくるのは間違いない。

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