2013年9月11日水曜日

Yahoo!の新ロゴは、会社の一層のリフレッシュ化をはかれるか。


Marissa Mayerとヤフーがまた話題に。今回は、ヤフーのロゴ改訂の話だ。

まずはその内容以前に、これだけ話題にのぼることが多くなっただけで、ヤフーにとっては相当ポジティブな効果が現れている(特に社員の士気)、ということは注目すべき点で、Marissa Mayerの大きな(もしかしたら最大の)貢献だ。

そしてロゴの話。この1ヶ月間、ヤフーは様々なロゴを実験的にホームページ、ヤフーメール、そして他のヤフーのページで試してきた。感覚的ではなく、実験をもとに集めたデータをもとに数値的に決断をするという、Marissa Mayerのグーグル時代からのやり方で新ロゴが決まったとのこと。つまり、経営陣が好きなロゴを選んだとか、ブランドマネージメント会社が提示したものを適用した結果ではない(そもそも今回は外部の会社を使わず、ヤフー内部のデザイナーによってすべてのロゴが作られた)。実トラフィックを使った実験の結果、何人がそのロゴをクリックしたかとか、リピート率や滞在時間に影響があったかとか、また、「印象」という定量化しにくい点についても、ユーザへの調査をもとにその効果をできるだけ数値化したものと思われる。

個人的には前のロゴがすごい好きだったので、できればそのロゴを更新する形で「リフレッシュ」をはかってもらいたかったなと思ったりする。先週発表された新しいロゴについて多くのブログで指摘されたのは、「クリニーク」のような化粧品会社のイメージを彷彿させるということ。意見を聞いてみると確かに説得力がある。今回ヤフーが選んだような、平たい直線的なフォントに立体性を持たせるデザインは、高級感を醸し出してニッチな消費者にアピールしたい場合に人気のあるものらしい。実際多くの化粧品は広い消費者を抱えるが、「ニッチで選ばれた消費者」という印象を買い手に与えることがポイントだ。つまり、自分は他と違い、選ばれた「違いがわかる」消費者なんだ、という優越感を受け付ける。

一方のヤフーは、多くの人に使われたいインターネットボータル。クールでありながら親しみやすいイメージを伝えたいという意図の中、化粧品のようなロゴが選ばれてしまった。

ただ、いつでも批判はつきもの。今までのMarissa Mayerの決断:Tumblrの買収(とその金額)、在宅勤務の廃止、サービスの停止、レイアフなど、常に批判と疑問の声があがったが、振り返ると、全体的にはポジティブな効果をもたらした、もしくは大した批判にはならずに忘れられていった感がある。

ロゴはCEOで彼女自身と並んで、会社の顔だ。自分がそこまでプロジェクトに深く関わって改訂を決定したということは(各デザインやデータのレビューから決定プロセスまで深く関わったらしい)、この決定をそれだけ重く捉えているということで、その責任もしっかり自分で背負っていくという現れ。そういう姿勢は当たり前のように見えても、残念ながらどのCEOにも見られるものではない。その点は、高く評価されるべきだと思う。

ちなみに、ヤフージャパンはロゴ更新の予定はないという。ヤフージャパンはヤフーファミリーの一員というよりも、「ヤフージャパン」としての一ブランドを築きあげ、ある意味、親会社以上の成功を納めてきた。今回のロゴ改訂についても例外ではなく、親会社に依存する必要がないし、逆に独自路線を行った方がメリットが高いかもというのがヤフージャパンの立場だろう。

下の画像にあるのは、左が新しいロゴ、真ん中が今までの古いロゴ、そして右がこれからも変わらないヤフージャパンのロゴ。



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