2010年12月5日日曜日

プロダクトやユーザ獲得においてすでにライバル心を燃やすグーグルとフェースブック。この2社間で繰り広げられるもう一つの競争と言えば?

以前にもブログで何度が書いたが、最近シリコンバレーの会社間でのデキル社員の獲得競争が一層激しくなってきている。一般的にその点では、サイズに関わらずどの会社も四苦八苦している。理由としては、限られたタレント数に対してスタートアップを含める会社数が増えている、つまり需要に対して十分な供給がないためだ。また各社のエリア境界が不明確になってきて、どの会社も同じようなスキルセットや経験をもった社員を欲しがることも背景にある。どの会社もiphoneやアンドロイドの開発者が欲しいというように。

知名度のないスタートアップにとって有能な社員の獲得はとてつもなく困難なのは言うまでもない。ただ、グーグルなど大手にとっても有能な社員の転職の流れを留めることが難しくなってきている。逆に言えば、社員にとっては給料アップを狙ったステップアップの転職がしやすい環境だということだ。

中でも一層と激しい競争を繰り広げているのはグーグル対フェースブック。

前回、サンクスギビング直前にグーグルが立て続けに新プロダクトをリリースした話に触れたが、同じ週にグーグルが世間を騒がせたもう一つのネタと言えば、今や恒例となった年末ボーナス(キャッシュで約10万円)と全社員に10%の給与アップを約束したこと。大物プレーヤー間での業界のマーケットシェア競争がますます激しくなると同時に、有能な社員の確保についての競争はさらに激しくなってきていることを示している。グーグル社員の主な転職先としては、LinkedIn, Facebook, Twitter, Zyngaに代表されるようなIPO前の大物スタートアップだが、その中でも一番脅威とされるのがフェースブックだ。

現在すでに、フェースブック社員の10-12%はもとグーグル社員と言われる。そしてその転職の流れはとどまることを知らない。アメリカではボスが自分の部下やチーム全体を新たな転職先に引き抜くということがよくあるので、キーパーソンを逃すと、その配下にいるチーム全体を失うリスクも高いのだ。

実際にグーグルは今年11月頭に、フェースブックに行きたい意思を示したStaff Engineerに対して、3.5億円の特例ボーナスを提示して引き止めたらしい。ちょっと補足すると、グーグルのStaff EngineerというのはEngineer, Sr. Engineerに続くタイトルで、上にはSr. Staff Engineer, Manager, Director, VP と続く(正確にはもっと階層があるかもしれないが)。そこまで上のタイトルではないにのも関わらず、そんな額を提示するというのはかなりの切迫感を感じる証拠だ。

噂によると、グーグルがこの手の引き止めのためのオファーを出すことは珍しくない。そしてその結果、80%の社員は考え直してグーグルに留まるのだという。一番のくどき文句は、転職先となるIPO直前のスタートアップのバリュエーションについての不透明性。会社の価値が100Billionドル(約10兆円)という予想が本当であれば、社員のオプションの価値はとてつもない高額になりかねないが、その一方でそんな値段がつかないリスクはそれ以上に高い。その一方、グーグルの市場価値というのはすでに確立して手堅いもの。とてつもないアップサイドもない代わり、すごい損することだってないのだ。

グーグルとフェースブックに代表されるタレント確保競争は、まだまだ始まったばかり。これから来年に向けて他のプレーヤーも巻き込んでさらに加速していくだろう。

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