2011年3月25日金曜日

相変わらず敵なしのジョブス、敵なしのipad

日本ではやむを得ず発売が延期になったipad2だが、他の25カ国では、この金曜日に予定通り発売開始となる。アメリカでは発売直後の週末だけで売り上げが100万台に達成したと噂され、初期モデルに匹敵するか上回る勢いだった。

新しいipadの目玉と言えば、正面と後ろ向きカメラとデュアル・プロセッサーの搭載。外見的には、前のバージョンよりも30%以上薄く(13.4ミリから8.8ミリ)、15%軽くできている(1.5ポンドから1.3ポンド)。にも関わらず値段は499ドルからと据え置きなので、ipadからipad2にアップグレードする人も後を絶たない。

それに刺激されてか、タブレットの先駆けとなったipadに続けとばかりに、各社がタブレット市場に殺到している。

2010年末までに発売されたタブレットの数は30種類。近々発売されることが発表されているのは102種類。今年の世界的なタブレット売上数は4,360万台。ただタブレット市場での今のアップルのシェアは78%と圧倒的なシェアを誇っているのは大した驚きでもない。個人的には、22%もアップル以外のタブレットを持っている人がいるの?と逆に驚いたくらい。

一番の競合とされているのは、モトローラから発売されたXoomだ。プラットフォームはグーグルのHoneycomb。これはグーグルのアンドロイド携帯ではまだ使われていないタブレットのために開発されたもので、Xoomが始めてのケースとなる。

外身的には横長のデザインで、基本的に横向きでの使用が想定されている。ワイドスクリーンのビデオに最適だ。また正面向きのカメラも内蔵で、ビデオチャットができるようになっている。モトローラ曰く、4Gネットワークに対応しているためipadよりも10倍速い通信が可能らしい。

マイナスとして、売りのひとつであるはずのフラッシュが初期モデルではまだ未対応などが挙げられるが、それ以上に大きな壁は値段の高さだろう。ipadの一番安い基本バージョンが499ドル(wifiのみ)なのに対して、xoomは600ドルから。この差は大きい。

そして携帯競争ですでに聞き飽きたくらい繰り返されている点だが、あえてもう一度。忘れてはいけない何よりの利点は、アプリの数だ。350,000のアプリがあって、うち65,000はiphoneの小さいスクリーンとは違ったタブレットの大きなスクリーン用に最適化されている。一方のグーグルは、150,000のアプリのみで、そのうち100しか大きなスクリーンへの最適化が行われていない。

結果としては、十分アップルの脅威になるものを備えているが、100ドルの値段差を払うまでの価値はないと見られるだろうと予想される。

またこのipadが脅威となるのは、同じようなタブレット製品だけではない。例えばkindleなどの電子本用ハードウェア。今回さらに軽くなったipadは、持ち運べる電子本としてさらに使いやすくなる。

3/2のipad2のお披露目イベントに、いつもの出で立ちの黒いタートルネックとジーンズで現れたジョブス氏。すっかりお馴染みになったこの服装だが、地味で目立たない服によって商品のデザイン性を引き立てるという隠れた作戦があるとも言われている。その狙い通りかどうか、またもや世間をあっと言わせたアップル。噂通りの商品だったにも関わらず、ユーザーを失望させず大きな話題性を繰り広げ、さらに競合までをぐんと引き離す力は、さすがとしか言いようがないだろう。

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