2011年3月10日木曜日

低迷するサンノゼ空港

サンノゼと言えば750万人近くが住むカリフォルニアで3番目、また全米でも10番目に大きな町。ただ最近、かつてはシリコンバレーへの玄関となっていたサンノゼ空港が利用客低下で悩んでいるという。サンフランシスコの南に位置するサンフランシスコ空港に、利用客が流れているらしい。

位置的にはシリコンバレーの中心とされている複数の町から30分内の距離という理想的な立地条件で、シスコ、グーグル、アップルなど代表的なシリコンバレーの大企業からの距離も、サンフランシスコ空港よりもサンノゼ空港の方が断然近い。

サンフランシスコ空港に流れる原因としては、利便性に欠ける点が大きいという。東海岸向け、例えばニューヨークやボストン向けの便は一日に一本しかないというとても不便な状況なのだ。また国内線だけでなく、国際線への接続も圧倒的に少ない。これは10年前にドットコムバブルがはじけた際に、大手航空会社が軒並みサンノゼから撤退した結果だ。

この傾向を受けて、空港ではいくつかの対策をかかげて大手航空会社を呼び戻そうとしている。

例えば利用料に対して大幅ディスカウントを適用して、便数を増やすよう促したり、レンタカーエリアやセキュリティのオペレーションなどの改善して待ち時間を減らす努力をしていたり。また、Wifiの提供や電源をそこらじゅうにつけるなどの努力も欠かしていない。

シリコンバレー近辺の大手企業にもサポートを促して、地域一体となって再度の活性化をはかっている。例えばeBayやシスコのサポートを受けて、懸命にANAをサンノゼ空港に呼び込もうとしている。

一方、各航空会社の日本行き便についても競争が激しくなることが予想される。サンフランシスコ〜羽田間の運行を始めたJALに対抗して、ANAも差別化をはかる対策を取ることを余儀なくされるだろう。日本行き便の利用客にとっては、いずれにしてもオプションが増えるというのはいいことだけど。

またもう一つの対策案として、空港名に「シリコンバレー」をつけてもっと魅力的な名前に変えることも検討中らしい。

ちなみに現在のサンノゼ空港のオフィシャルな名前は「ミネタ・サンノゼ空港」。この名前にある「ミネタ」さんは、ジョージ・ブッシュ政権時代のTransportation Secretaryで、クリントン政権時代のCommerce Secretaryだったサンノゼ出身のNorman Yoshio Minetaからとったもの。このミネタさん、日本からの移民であった両親のもとに生まれた日系1世で、その昔はサンノゼ市長でもあった。

ミネタさんの名前がシリコンバレーに置き換わるとしたら、日本人としてはちょっと寂しい気もするけど。

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