近所のジムに行って、その帰りに隣接のカフェで仕事をしていたところ、隣のテーブルでの会話が耳に入ってきた。
「最近何してるの」「上海やソウルに行くことが多くて忙しいの。最近はYao Ming(ヤオ・ミン)のPRを担当しているから」。そんな会話の節々が聞こえると、下を向いて仕事に集中しているふりをしながらも、耳は思いっきり隣のテーブルに集中せざるを得ない。
話を聞いていると、どうやらヤオ・ミンが始めたナパのワイナリー事業についてらしい。ヤオ・ミンと言えば数年前に怪我が原因で惜しまれながらNBAを引退、上海に戻ってプロのバスケットボールのチームのオーナーだけでなく、様々な事業に手を出していると報告されている。大学に戻って勉強しているという話も。そんな傍ら、ナパワインの事業にも手を出していたとは、知らなかった。
「ヤオ・ミンの英語は完璧じゃないけど、会話するには十分」「大学に戻って勉強に励んだりして、頑張っている」など言ってるのを聞くと、もっぱらでまかせでもないようだ。
中国のワイン消費はここ数年ですごい伸びを見せていて、2005年から2009年にかけては倍になっている。その中でも海外産ワインの消費量は2008年から2010年にかけて、240%伸びた。中国人の間ではワインと言えばフランスというイメージがいまだに強いようだが、それを逆手にとって、カリフォルニアワインの参入機会は大きいと見たのがヤオ・ミンだったようだ。
中国市場をターゲットにするには、これ以上の理想的なセレブはいない。アメリカの国民的スポーツの一つとされているバスケットボールで驚異的な成功をおさめて、グローバルなスターになった。アメリカのワインと中国市場を結ぶにはこんなにふさわしい象徴的な人はいないだろう。
ナパと言えば、最近話題になっているKenzo Estate Wineryも、名前から容易に察しできるように、日本人オーナーのワイナリーだ。予約制のみで子供連れはだめなど、一般的にカジュアルでゆるい雰囲気のナパの他のワイナリーに比べて、敷居が高い。こちらも日本にテースティングバーをもうけたり、高級レストランにワインを卸したり、日本人消費者に向けたビジネスを積極的に展開しているようだ。
とりとめのない話になったけど、要は、思いもがけないところで中国人セレブが起業していたり、そんな人と直接仕事している人が近所のカフェにいたりして、面白いなと思ったと同時に、話を聞いていたら久々にナパに行きたくなったということでした。
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