テクノロジー系のスタートアップの成功例と言えば、グーグル、フェースブック、Twitter、Youtubeに代表されるような、20代30代の学生や若者がノリで始めた会社がビジネスとして花開いたという手の話が主流と思われがちだ。この仮定が正しければ、人口の高齢化はアメリカの起業ブームにマイナスに働くと思われるところだが、今年の6月にKauffman Foundationが面白い調査結果を発表している。
この調査によるとアメリカの現状は、「高齢化にも関わらず起業ブームが終わらないアメリカ」ではなくて、「高齢化に支えられる起業ブーム」だというのだ。
Duke大学の調査によると、テクノロジー系分野で起業する人の平均年齢は何と39歳らしい。意外にも高齢?と驚く人が多いのではないだろうか。またここ数十年間のデータによると、起業する確立が一番高いのは55〜64歳の年齢層となっている。一般的に20〜34歳はリスクを顧みず起業を恐れないイメージがあるが、この年齢層の起業率が実は一番低いとされているのだ。これも意外な結果。しかもこの傾向は、ドットコムブーム前後の11年間に強い傾向として現れ始めている。ドットコムブームと言えば、若い起業家がもてはやされてセレブかした印象が強いにも関わらず。。。
その傾向を後押ししたのは何なのか?背景としては、一生一つの会社に長く勤める終身雇用率が減少していることに加え、最近の不景気が挙げられるという。もともと30歳以下は仕事を変わる頻度が高いというのは昔からの傾向だが、35〜64歳の年齢層に限っては、終身雇用率はこの50年間で急激にさがった。平均寿命の向上、健康な高齢者が増えていることを加味すると、この傾向はさらに強まっていくと思われる。つまり自発的な退職にせよ、不景気で退社を余儀なくされる場合にせよ、高齢層の起業を後押しする要因が増えているのだ。
大企業は存続し続けるという仮説が否定された今、高齢者の起業ブームはさらに続くと予想されている。
また、起業率最高の年齢層55〜64歳はベビーブーム層とちょうど重なり、人口ピラミッドの中でも最大の年齢層だったりもする。経済の復活のカギは起業家が握るとも言われる中、かすかな希望を与えてくれるデータではないだろうか。
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