一般的に買収の動機といえば、何を思い浮かべるだろうか。プロダクト、サービスやマーケットシェアを自社で作る時間や技術がないために、手っ取り早い手段としてそれをすでに保有している会社を買ってしまう、というのが主流だと思う。
この手の買収、"acquired"ではなく、 “acqhired”と呼ばれていたりする。つまりタレントの買収なので、買収額も一人あたりの単価に基づいて計算される。
ちなみにFacebookでその手のタレント目的の買収を繰り返しているディレクターによると、エンジニアは5000万から1億円の価値があるという。
これらの動きは、この地での人材確保の競争が激しくなる一方だということの証だ。実際にグーグルのような大企業でも、もっと小規模なスタートアップでも、規模や知名度に関わらず、十分な人材が確保できないというのは共通の悩みのようだ。各社とも無料での食事提供やIpad支給だったりと、さまざまな手を使ってタレントを釣ろうとしているところにも、その悩みの深さがうかがえる。
その中でもこの手の買収をもっとも強気に繰り返しているのが、Facebookだ。Parakey, Hot Potato, Octazenと、最近買収した小さなスタートアップのプロダクトはほぼすべて打ち切っている。
これらの買収はストックによるものが多く、そのストックを売却するためには通常1年以上は待たないといけない。Facebookいわく、この手の買収はいまや大企業になりつつあるチームに、起業精神をあらためて吹き込んでくれるという、文化に与える効果もあるという。
起業家にとってはそれをはじめからゴールにする人は、少ないだろう。(ていうか、あまりいてほしくない)。だが、数年やってもコアなビジネス自体が伸びない場合は、そういうExitもあり、と考える起業家も多くなってきているようだ。
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