トヨタが2010年発売予定のルーフ一体型ソーラーパネル付きプリウスがアメリカでも話題になっている。トヨタは相当数のテレビコマーシャルを打っていて、その中でもソーラーパネルを強調、さらなる「グリーン」性を全面に打ち出している。数週間前には、日本と中国での生産に続いてベイエリアにあるGMとトヨタの合弁工場NUMIでのプリウス生産を検討中との噂が出回った。ただ今月初めに起こったGM倒産という困難な財政状況もあり、いまのところ公式には否定されている。カリフォルニアは環境規制が厳しいこと、また一般に環境問題への関心が高いため、アメリカの中で需要が高いエリアの一つとなっていて、トヨタが打ち出している「需要の高いところのみで生産する」という方針には沿っているのだが。
しかしこのソーラーパネル、意外なことにバッテリーへの充電はできず、駐車中の車内の換気に留まるというのにはがっかり。リモートで空調をオンにすることができるなどのおまけつきだが、それでも、日向に駐車した車に戻った際にエアコンをがんがんつけて車内を冷やす電力が節約できるというだけらしい。バッテリーにつなげて充電して、そのパワーだけで車を動かせるようになるようになるにはまだ何年も先、とのこと。
それでもすでにウェイトリストができているこの新型プリウス、その関心と需要に目をつけて、標準プリウスに取り付けられるソーラーパネルを生産しているSolar Electric Vehiclesという会社がある。これによって、一日あたり15マイル走行できるだけのパワーが得られるらしい。この外付けシステムは3500ドル、一つ生産するのに1週間程度かかる。注文が殺到していて、この数週間は注文を裁くだけでいっぱいいっぱいだという。自分で取り付けることもできるという手軽なものだ。
いずれにしても明るい第一歩だが、それでも課題は多い。まずバッテリーにつなげて車を動かすためには巨大な表面積が必要で、車一台のルーフの表面積ではまったく足りないのだ。車のルーフに取り付けるのではなく、例えば駐車場の屋根全体にソーラーパネルを取り付けるなどした方が現実的だという声もあがっている。
もう一つの課題は、ソーラーパネルのコストが高いことだ。ただ、高まる需要に伴いコストはだんだん下がり、生産性はあがっていて、ある調査によると、2010年までにはパネルの材料となるCrystalline siliconシリコンの生産量も、生産性も大きく進化するとされている。今日1ワットあたり1.9ドルかかるコストが、5年以内には1ドルに下がると見込まれている。特にエネルギー費用が高いとされているニューヨーク、San Diego, San Francisco, Las Vegas, Phoenixでは、2015年までには今Natural Gasで作られているエネルギーだが、そのコストを超すとされている。
つまり日射時間の長く、既存のエネルギーコストが高いカリフォルニアでは、ますますソーラーパネルを促進するインセンティブが高まる。
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