サンフランシスコでは2007年に、費用が高く公害悪化の原因だとして、市職員に対してペットボトル飲料水禁止令を出した。背景にはコスト削減だけでなく、ペットボトル入り飲料水の製造および輸送に係る石油使用量に及ぶ環境への配慮もある。同市では、同じ年に職員によるスーパーでのビニール袋使用禁止令も発令されている。先日わたしがサンフランシスコで行ったレストランも「環境に優しい」ことをテーマとしていて、ペットボトル飲料水は一切使わないことを看板にあげていた。それ以外にもできるだけ地元で生産された食材を使うなど、地元の農業を支えるとともに環境に配慮していることを掲げるレストランは増えている。
このような市とか団体レベルでの自粛活動は以前から随分盛んだったのだが、問題はその意識が一般消費者の家庭での行動にどこまで浸透しているか、ということ。最近目にした'Beverage Marketing Corp.'のデータによると、ペットボトル入り水の消費の成長率は2005年をピークに落ちていく一方らしい。特に2007年から2008年にかけての落ち目は著しく、これはちょうど市や団体が積極的にペットボトル自粛活動を始めた年と重なる。またさらにそれを裏付けるように、BritaとかPURに代表される家庭用浄水器の売り上げ成長率は10%を超え、軒並み順調らしい。
ここベイエリアでは日本ではやっているマイ箸ではないけど、マイペットボトルを持ち歩くことはある種のメッセージ性を持っている。スタンフォード大学で行われるイベントなどに行くと日本でのポケットティッシュのような感覚で学校のロゴ入りの水筒が配られるし、会社に入ってもはじめの'welcome package'には必ず水筒が含まれている。
知人からの情報によると、グーグルのメインキャンパスでもペットボトル入りの水は置かれなくなったとか。今は蒸留水の入っている大きなタンクが各フロアに置かれていて、紙コップもしくは持参の水筒に必要に応じて水を補給するシステムになっているようだ。グーグルが取り入れたという時点で、ある意味真の業界標準になったと言える?かも。
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